宮台真司さんがよく損得野郎の話をしている。
僕は若者が恋愛に対して退避行動をとる根本的な原因はデフレだと思う。
若年男子の草食化の原因も半分くらいは長く続くデフレ不況が原因だろう。お金がなければ、デートに誘うのも億劫になりがちだ。原因の残り半分は、言うまでもなく映像コンテンツの横溢である。
(P4から引用 ヘリコプターマネー)
デフレ開始は1988年。車を買えだの恋愛しろだの、じじいは昔の感覚だけ持ってきてそのまま言っているが、今と昔では全然状況が違う。
今現在、
とのことらしいが、若者にミニマリストが増えているというより、単純に若者にお金がないことが原因だろう。恋愛するのにもお金が必要だ。
バブル経済下のトチ狂った雰囲気も当然、洗脳下にあったから起こったことだろう。消費活動の多くは洗脳なので、「よくよく考えても見れば買う必要あるのか」となるのは当たり前。しかしこうなるのは洗脳が解けたことが原因というより、「解けていないけどお金がないから、半強制的にミニマリスト状況に追い込まれている」と思われる。
実家から出れないのも同様。今も「一人で稼いで一人前に」みたいな会話が家で繰り広げられているのだろうが、それができる世代とそうでない世代は分かれている。今の時代は結婚しても共働きを余儀無くされる状態なわけで。
「そろそろ結婚しないの」そういった言葉を簡単に言ってしまう。結婚して子供産んで立派な人間になるって、家で追い込んでどうすんだという話。しかしこうやって家族間でぶつかり合うのも分断の成果という・・・。
親と同居している若者の割合は、依然として45%を超えています。(1980年代は3割ほどの同居率(そして、その多くは全面的に親に頼っているのではなく、働いて賃金を得ながらも(それだけは「ふつうの暮らし」が送れないという理由から)住宅費や食費、水道光熱費などを節約するために親との同居を選択している可能性が高いと考えられます。そうやって節約した分を自分の趣味やつきあいにまわせるのだとしたら、親との同居はきわめて合理的な選択であり、多くの若者がたちがそうしていることもうなづけます。
また親と同居することによって、独立して家族を形成する機会が遠ざけられていることも看過できない事実です(現在の最低賃金のレベルではひとり暮らしもままならないのですから、家族形成が難しいのは当然のことですが。)
P.40から引用 最低賃金1500円がつくる仕事と暮らし
一つ、宮台さん(頭大教授)の話で面白いのは学歴。「良い学歴にいくには、そもそもいい家に生まれていないと~」という論理は度々出される。格差が広がる一つの現象。つまり東大にいくような連中は相対的に恵まれている子供が多い。宮台氏の「損得野郎」というのは若者全般を対象としておっしゃっているが思うが、特に間近で見ているのは東大の子や高学歴の子になるだろう。
つまり格差が広がり貧困層に「損得野郎が増えた」と言っているのではない。どちらかというと恵まれている子に向けて言っている。宮台さんの師匠の小室直樹さんもおっしゃっていたが、昔よりお受験お受験という徹底的な教育(洗脳)が強くなった。
本人は相当こどもの頃から勉強に追い込まれ、なんとか勝ってきた人間が損得まみれの感情を吐く(その状況はお前が生んだんだという自己責任論を吐く)ことは考えても見みれば当たり前なのかも。ラッキーともいえない格差社会のある意味、犠牲者といえる。
幼少期から自分の中の子供を殺され、徹底したエリート教育を施された、その一つの結果といえる。安富さんの演説を思い出す。
やすとみ歩 街頭演説集 190705 新橋駅SL広場 参院選
小室先生、宮台さん、上野千鶴子、安富歩さん、おおたとしまささん辺りの話は全部、地続きで非常に面白い。
↓ゆる体操はじめました。