あまりこういうツイートはしないのだけど、とても素晴らしい映画に出会えたので。
— 井上小百合 (@syr_1214) 2021年11月24日
大袈裟な演出がなかったのが良かった、無駄なものが無いというか。全員がちゃんとそこに生きてて。
日常の中の些細な弱さや優しさを見つけて、じんわりして。
加賀さん、塚地さん、和島監督素晴らしい…!#梅切らぬバカ pic.twitter.com/UNGflpKCNe
このツイートから気になってた「梅切らぬバカ。」
超ざっくり説明すると、自閉症の子とそれを支える母(とその近隣住民)の映画。
以下、軽くネタバレかつ感想。
【感想】
排除排除排除。
「私たちは普通に暮らしたいだけなんです」といって地域社会から忠さん(主役)たちを排除しようとする近隣住民や、「馬がかわいそう」「怖かったね」といって馬を心配し、忠さんたちに冷たい眼差しを向ける人が、ただ淡々と映されている。
人間が人間を排除する「風景」。その日常を描く、みたいな映画だった。
この映画を見ながら、「れいわ一揆」への感想、「馬を都会に持ってきて、馬が可哀想!」を思い出した。
(1分20秒〜馬がでてくるシーン。)
「馬がかわいそう」というけど、そういう場所に人間は平然と住んでいる。
「れいわ一揆」では外部から人間社会に馬をつれてくる。
「梅切らぬバカ」では排除した(したい?)人間が人間社会に入ってくる。
前者では「連れてこられた馬が可哀想」となるが、後者では「自閉症の方々が可哀想」とはならず、「もっときちんと管理しろ」などとなる。
他にも今作では、馬が自閉症の人間と触れて驚き、飼育係が「怖かったね、怖かったね」と馬をなだめるシーンがある。僕には馬が人間を怖がっているのではなく、人間が人間を怖がっているシーンに見えた。
普段触れない「外部」から来たものに対する恐怖。人間、肌の色や性別が怖いだけで根源的に恐怖を感じるものだと思うけど、それが日常の風景として映し出されているというか・・・
ここらへんの違和感はもっとうまく言えそうだけど、まとまらない。。。
この映画は、忠さんたちが排除されていく問題に対して、その地域の問題が市に届き、そして解決へ・・・!!!という終わり方はしない。
井上さんのツイートにもあったけど、大袈裟な演出はなく、ただ淡々とした日常を描いてる。そこに優しさと苦しさがじんわりのっかってくる感じ。
こういう映画見て何か胸が痛いのは、やっぱり自分の日常にも似たようなことがあるからだと思う。