ホメオスタシスは逆に働きやすいという性質を利用する、ではないが、例えば教育や心理学等で言われている「利己的より利他的の方が力が出る」という類も逆に考えてみるといいかもしれない。
利他的利他的言っておいて、その実、利己的(自分の利益を最優先しすぎて、そのせいで疲弊している)という事例もあるだろう。「競争より協力」の論理から協力をやろうとするが、協力しなければいけないというhavetoチックになっている事例もあるだろう。
これらは俺自身もひっかかっているので偉そうなことがいえない。世の講師みたいに、食べていくためにインチキくさい雰囲気を出したり、流れ作業で仕事をしているのはもう嫌だ。
こういう場合、シンプルにそれらの研究を無視するかのごとく、バリバリ利己を選び、バリバリ競争するといいと思っている。人は意外にも自分のことが全然見えておらず、ムードメイカーのような人付き合いが上手そうな人が疲れていたり、孤独が好きそうな変人が「自分の求めた形での社会性」があったりする。
研究は大まかな方向性が出ているという意味で、個人差があんまりなく参考にしやすいものだが、文脈の取り方で大きく活かせるかどうかに差が出る。
トイレの前でドアを叩きながらジョン!というのと、周りをキョロキョロしながらジョン!といっているのとでは、同じジョンでも意味が当然違うわけだが、
相手チームと情報交換しつつ「お前のこと(チーム)ぶっ殺してやる」などと冗談でいいつつ、笑顔で楽しくやりながら、自分のチームも相手チームも上達しながら競争していたら、それは当然「協力」という文脈だ。
競争社会をこえて―ノー・コンテストの時代 (叢書・ウニベルシタス)
- 作者: アルフィコーン,Alfie Kohn,山本啓,真水康樹
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
- 発売日: 1994/06/01
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逆に協力し合おうというプラカードを掲げつつ、いかに相手を蹴落とすか・いかに自分だけがこの戦争(受験戦争、戦争)から這い上がるか、というのを腹の底で考えていたら、そりゃ辛い。協調活動の方が線条体からドーパミン(A10系)がドバドバでるところを、自分自身で抑制しているわけだ。
ゾーンやフローという研究の共通点は、ザッッッックリいうと「楽しむこと」である。ただボールを投げてリングに入れるという作業が楽しい人もいれば、じっと座って瞑想しているだけで楽しい人もいる。同じ作業をまったく楽しいと思わない人間も多いだろう。後者の方が多いかもしれない。
- 作者: M.チクセントミハイ,大森弘
- 出版社/メーカー: 世界思想社
- 発売日: 2010/05/10
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一見、部屋にこもって絵を描いていたり、練習場でバスケットの練習をしているだけに見える人も、潜在的には人との協調がある。当人の情報空間で一体何が起こっているのか?は全然違う。SF作家や漫画家は頭の中で漫画の世界を体験していると思う。漫画のキャラクターの存在も、読者の存在もどこかで感じながら描く作者と、本当の意味で孤独に「読者の存在も消えてキャラクターの存在も感知せずに」描いている漫画家がいたら、売れにくいと思う(疲れるんじゃないか。)
黒沢明さんなんかは、明日映画の撮影があると、楽しみで楽しみで仕方ないと言っていた。
これのシリーズだったと思う。
これ聞いて、なんかホエーっと、映画監督ってこんな感じ方すんの?とスコトーマ外れた気分。
楽しいってイイね。
人によっては明日が嫌で嫌で・・・プレッシャー・重圧というものがイップスなどにつながったり、場合によっては吐き気なりの身体活動にも影響を及ぼす。場合によっては楽しみで楽しみでしょうがない人もいる。
イチローさんが「楽しんでやれの意味がわからない」と仰っていたらしい。一般人も同様に「楽しんでやれと言われても意味がわからない」というかもしれないが、意味するところは別にある感じがする。