最近のジャンプ漫画の変化
最近の漫画は殺伐とした空気の漫画が多くなりました。例えばチェンソーマンとか、食人がテーマの約束のネバーランドみたいな漫画があること。ジャンプ編集部自体も自覚がある感じですよね。
『鬼滅の刃』に限らず『呪術廻戦』『チェンソーマン』など、いわゆる異能・異形系のバトル漫画が『ジャンプ』でも増えている気がします。これまでの『ジャンプ』とはまた少し違う流れのように感じるのですが、編集部のみなさんはどうとらえていますか?
よく新人の作家さんから「ジャンプらしい要素が必要ですか?」と聞かれるのですが、少なくとも僕は今まで作家さんに「ジャンプらしいものを書いてくれ」と言ったことは一度もありません。
基本的に『ジャンプ』は否定の歴史だと思っています。スゴい作家さんが現れて、人気が盛り上がって、そこからまた先人とは別の面白さを備えた作家さんが現れて、新しいブームが生まれてくる。そんな否定の歴史を繰り返して、『ジャンプ』は今日までやってきました。
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熱血漢タイプの主人公が減って、殺伐とした空気感の中での優しさというタイプが、人気になりやすいと感じます。
鬼滅、ワンピース、約束のネバーランド。ジャンププラスで連載中の地獄楽もその類ですね。
一昔前の競争、日向坂の調和
アイドルという分野も時代によって変化しています。
7・8年前までは、篠田麻里子の「潰すつもりできてください。」という言葉に象徴されるように、競争といった感じがまだ残っていました。しかし現在有名なアイドルグループの乃木坂や日向坂はそういった空気感は非常に薄いです。
娯楽は見ている側もその空気感に同調して楽しむものです。日常生活でも競争して神経すり減らしているのに、なんで娯楽作品でもそれを見なダメなん?と感じてしまうのではないでしょうか。
現代では、日向や乃木坂のような、仲間と調和している空気感が求められています。
漫画は世の中の空気感を反映する
一方で、裏側では暴きたいという欲もついてまわっています。
「昭和のアイドルさんは事務所がだいぶ細かくキャラ設定をして、デビューさせていたと母から聞いていて。私もアイドルになって、キャラを演じることに少し憧れていたんですよ。ただ今は、常にメイキングカメラが回っていて、裏の面までさらされてしまう。昔は『キャラを守ろう』、今は『キャラを暴こう』の時代。その違いを考えながら、試行錯誤する日々です」
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まとめると
・漫画→表では仲間・絆・優しさ、裏では黒魔術チックの空気感
・アイドル→表では絆・調和、裏では暴きたい欲
が求められているという構図です。
世間が求めているものが変化し、それに影響を受けているという点では同様です。どちらも薄暗い社会の傾向を表しています。鬼滅なんかは、その暗さと明るさ(優しさ)が両方いいバランスで存在するのがいいんじゃないでしょうか。
まとめ
ワンピースも一見、少年漫画にありがちな雰囲気に思えますが、差別や支配などを扱っているので、小学生や中学生が読むにはかなりディープです。
ワンピース60巻まで無料で初めてワンピースを読んだオタクの感想として「想像の100倍くらい複雑な話だった」「こんなエグい鬱話を少年誌でやっていいの!?」「仲間という言葉の意味思っていたのより重すぎる」とか流れてくるの、ワンピースが世間的にどういう印象で広まっていたのか分かって面白い。
— 非常口 (@hershamboyz) 2020年3月29日
鬼滅もバッタバッタ死にますし人を食べますし、ネバーランドなんかはモロですよね。
チェンソーマンは典型的に世の中の変化で出てきています。明るい部分は鬼滅やワンピースなどに比べると少ないので、人気上位にはこなさそうですよね。作者の独特の面白回でバランスとってる感じですが。
今回は漫画とアイドルで語ってきましたが、芸能人の不倫などがまるで人殺しをしたかのように叩くのも同じ論理です。デフレ20年コワイ。
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【今日の雑談のコーナー】
アマゾンで高騰している「経済学の船出」が図書館より届いた。
youtubeで並列しながら読んでいく。まだうまく言語化はできないけど、貨幣の出現はホメオスタシス同調や国家の催眠現象とも繋がりがあるんだろうなぁと。
現代の経済学では人間を「合理的な経済人(ホモ・エコノミクス)」前提として話を進めるが、栄養学や生理学も似た感じを受ける。健康体とされる身体を一つ基準として設ける辺り、どこかアプリオリの匂いが・・・。
セコセコ勉強します!