タイミングと似た問題ですが、位置(位置感覚)について考えます。
例えば「インナーテニス」では、ボールがバウンドした位置を確認するワークがあります。センターラインからどこまでズレたかを意識にあげる訓練です。センターライン上からどれくらいずれているかを例えば数値化して、10はこのくらいの距離と仮定し、+10+20とあげていきます。
このとき自分の感覚としては「10ズレたくらい」と予測させます。しかし自分の感覚内では+10なのにも関わらず、実際には+20までズレていたりも、しばしばです。
上記以外では、前屈が柔らかくなったのに気づかないなどの例もそうです。写メで撮影して初めて差に気づけます。Rゆらぎして(モーダルチャンネルを変えて提示することによって)初めて意識に上がります。感じているけど、わからないわけです。
これはいわば料理でいう味見です。スポーツでいう「一度撮影してみる」「数値化してみる」は料理でいう「味見」と同様です。自分の体感だけを信じて「こっちがいい、悪い」という修正が多々見られますが、味見せずにカンだけを頼りに美味しい料理ができるでしょうか(当然、偶然うまくいく場合もあります)
同様のことをおっしゃっている動画。
タモリ × 武井壮 武井壮に運動能力を簡単にあげるコツを学べ!!
自分の身体感覚を捉える際、人は「腕をどの高さ」とかいうのも、「ラケットがどの位置角度にあるのか」というのも視覚情報で捉えています。)、共感覚による骨のマッピング(位置の修正)も同様です。
「今実際はこうだ」とRゆらぎしていくだけで、正しい位置や大きさに自動調節がなされます。
ここであくまで重要なのは、意識では修正しないことです。無意識サイドで修正すること。例えばズレているからといって、「前はこのくらいの力だったから、次はこのくらい力を入れたらセンターラインだろう」なとは考えず、ただ打っていく。ただ打っていく・ただ意識にあげて、少しずつ無意識に修正させていきます。
1 ただ打っていく ×
2 意識で修正して、打っていく ×
3 ただ打って、ただRゆらぎしていく ○
まとめると上記のようになります。1がダメなのは想像がつきますが、2もよろしくないと考えます。前屈がいい事例ですが、自分の身体がどうなっているのかが意外にもわかっていません。そこを修正するには自分の体感での修正する癖をやめることから始まります。
例えば自分が肘を90度にしているつもりでも、映像でみると110度くらいになっている場合もあります。自分がこうだと思っている映像自体が、そもそもズレているので、そこから体感で修正していくと、ますますズレていく可能性があります。
これは特に走りなどのスピードが出る競技だと誤差が増えやすいです。静的な競技より動的な競技の方が、認知が歪みやすいと断言しませんが、動いている最中の把握は(コンマ何秒の世界です)非常に難しいものがあります。例えばピッチングなどの静止に近い状態から全力で投げる動作も同様です。